小泉(旧姓:犹守)祐子さん
<第41期生>八戸市出身。お母さん(第1期生だそうです)が美容師という家で育つ。
短大卒業後、ロンドンに3年間留学。24歳で八戸理容美容専門学校に入学したという経歴の持ち主。
ドイツ、ロンドンで3年間の美容師体験を経た後、八戸市内に「美容室Hyper Hyper」を開店。

「子供の頃は美容師になりたいと思ったけれど…」
美容の道に進むきっかけは、どんなことでしたか?

 小さいときは、美容師になりたいと言っていました。でも、自分の進路を決める頃には英語を学びたい気持ちが強くなって、東京の短大の英語科に進学しました。卒業後、ロンドンに語学留学し、3年間を過ごしました。
 留学を終えて八戸に戻って仕事を探しましたが、外資系の企業とか英語を活かせる仕事はなかなかなくて。就職先が決まらないでいたときに、母から「とりあえず、美容の学校に通ってみればいいじゃない」という感じで勧められ、24歳で八戸理容美容専門学校に入学しました。在学中は学校に通うかたわら、英会話の先生もしていました。
「仕事が向いていないと思う前に、自分に向かせなさい」
在学中で心に残っていることを教えてください。

 入学はしたものの、「不器用でおおざっぱな私が、こんな細かい仕事は向いていない」といつも思っていました。そんなある日、先生から言われました。「理容美容の仕事が向いていないとかダメだとか思う前に、自分に向かせなさい」と。「誰でも頑張ればできるんだ」とハッと気づいて、そこからやる気が違ってきましたね。
 今なら感覚で『こうカットすればどうなるか』といったことがわかりますが、初めは教えられたとおり忠実にやらないといけない。中途半端な仕事ばかりせず、基本をちゃんと学んで努力すれば、自分の手にゲットできるんだと思って、それから心を入れ替えて学び始めたんです。
 いい言葉をいただいたなあと、今でも心に残っている言葉です。

「外国人を相手に美容の仕事がしてみたい」
ドイツ、ロンドンに行くきっかけは?


 インターンとして東京の美容院で働き始めた頃から、技術をきちんと身につけて、この仕事を続けていこうと思い始めました。お店の練習会だけでなく、カット講習やカットスクールにも通って技術を学びました。2年間やってから、情報誌でドイツの求人情報を見つけて、デュッセルドルフにあるサロンに技術者として行くことになりました。ここは、店のスタッフも全員日本人、お客さんも日本人ばかりという店でした。
 せっかく海外に来たのだから、外国人を相手に仕事をしたいという気持ちが強くなり、ロンドンで仕事を探しました。ロンドンでは、美容師としての専門的な英語を学んでコミュニケーションやオーダーの取り方、カットの専門的な呼び方なども勉強したかったので、『トニー&ガイ』というカットスクールに通いながら、日本人オーナーの店でアルバイトとして働き始めました。その店では、8割が地元のお客さんでした。頭の形や髪質が日本人とは全く違うので、カルチャーショックもあって、勉強になりましたね。
「2年間、地元で働いてまたロンドンへ」
そして3年間、ロンドンで暮らしたのですね

 いいえ。2年間のロンドン生活を終えて日本に帰国し、八戸市内のサロンに勤務しました。お客様の年齢層も幅広く、忙しい店でした。私は2〜3年単位で刺激がほしくなって新しいことを始めてしまう人間で、地元で仕事をして2年ほどした頃、ロンドンで働いていたサロンのオーナーと連絡をとりました。すると2号店をオープンするから、オープニングスタッフとして手伝ってほしいと。それでまたロンドンに行きました。
 このときは半年間だけと決めていたので、仕事の他にも何か目的が欲しくなりました。そこで美容業界誌の編集部に「私は今度、仕事でロンドンに行くが、ロンドン情報を送っていいか」とコンタクトをとったら、「ぜひ」と言われ、半年間ロンドンレポートをやりました。私みたいに地方の人間が出たから、励まされたという人も多いみたいです。
「日本人の髪は難しい。だから研究が必要です」
ロンドンと日本で「違うな」と思ったことは?

 ロンドンでは、フィニッシュの仕方がすごく勉強になりましたね。カットは同じでも、どこで差を付けるかというとフィニッシュの「どう動かすか」とか「どう壊すか」で、全然違ってくる。中途半端になってしまうところを、もっと思い切って大胆にやるとかっこよくなるとか、どうやって個性を出すかということを学びました。ロンドンの人は、ヘアスタイルに興味がなくて「任せる」というい人が多かったので、結構いろいろなことができました。お陰で怖いもの知らずになりましたね。
 欧米人は、頭が小さくて形もいいし、髪の量が少なく細いので、すごくまとまりやすいし、かっこよくなるんですよ。だけど、日本人は頭の形も考慮しないといけないし、研究しないとうまくいかない髪質です。カラーリングでも、欧米人は、その色を入れるとその色が出てくれるけど、日本人はそうはいかない。色素のことを考えて補色を使うなど、工夫する必要があるから技術的には日本人の方が上だと思います。その意味からも、日本で基礎を学んでよかったと思います。

「仕事の楽しさがわかるまで7年かかりました」
美容師を目指す皆さんにアドバイスをお願いします。

 美容の世界では、挫折する人が多いですよね。学校に入っても、すぐにあきらめて辞めていってしまう人が多い。トコトンやってみてそれでもダメならしょうがないですけど。でも、すぐに決めてしまわないほうがいい。
 私がこの仕事の楽しさがわかってきたのは、美容を始めて7年くらい経ってから。今では「美容師を選んで良かったな」と思うようになりました。すぐに結果を出そうとか、お客様のウケを狙おうとすると失敗します。地道に丁寧にやっていれば、自然にお客様も結果もついてきます。
 自分の創るスタイルに自信をもてるようになると「私はこう思う。だから、こっちの方がいいですよ」とアドバイスもできて面白くなってきます。そしてお客様を変身させて、いい気分になってもらえれば自分も気持ちいいし、やりがいも生まれます。
 同じ土地、同じ店ばかり見ていてはわからないことが多い。東京や海外を見てくると視野も広くなるし、自分は何て小さいんだろうと思えます。そういう経験が大切です。
 私は今、相性のいいお客さんに来ていただき、こじんまりと末永く自分の店づくりができたらいいと考えていますが、皆さんもそれぞれの夢に向かって頑張ってくださいね。




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